• 土谷守生

五輪で全種目に出場した 山本さち子



 山本さち子。志賀高原・熊の湯温泉の「志賀リバーサイドホテル」を営む家庭に育ち、目の前がスキー場という恵まれた環境で育った。スキーはみるみる上達し、志賀高原では知らない者はいないというほど選手として活躍していた。  山ノ内中学に進むと1年の時に全国中学で優勝し、その名は全国区となった山本。この活躍で認められてジャパンチームのジュニアに抜擢され、将来を大いに嘱望された。長野日大高校に進んで間もなく、川端絵美とともにワールドカップに出場する。それからはとんとん拍子にトップ選手への歩みをはじめる。  1987年にはじめて世界選手権に出場、翌1988年にはオリンピックに初出場したが、いずれも高校生の時だった。チームでのランキングは川端と一緒にAランキングと頂点にいた。しかし、1989年のベイルで行われた世界選手権で川端は滑降5位という“快挙”を達成し、時の人となっていた。山本は、不慣れなスピー系にも川端と同じようにチャレンジして頑張ったが、川端を越えることはできない。  時代が川端と少しでもずれていたら山本は間違いなく、高校生でオリンピック、世界選手権、ワールドカップと世界3大大会に出場した“天才少女”と騒がれていただろう。しかし、山本は時代のいたずらにも翻弄されることなく、引退するまで粛々とトレーニングにレースに打ち込んでいた。この山本も記録以上に人々の記憶に残る選手だったのではないだろうか。  そんな山本は、現在、結婚してカナダに住んでいるが、冬になると実家のある志賀高原のホテルで過ごす。昨年、電話で久しぶりに話をしたが、選手時代と変わらない“さっちゃん”のホワッとしたやさしく温かい感じが蘇ってきた。  1988年/Calgary(CAN) DH/23 SL/途中棄権 GSL/途中棄権 SG/30 CB/20  1992年/Albertville(FRA)       DH/26 SL/途中棄権 SG/33 CB/途中棄権 世界選手権  1987/Crans Montana(SUI)       DH/32 SL/途中棄権 GSL/34 SG/33 CB/28  1989年/Vail(USA)       SL/途中棄権 GSL/23   1991年/Saalbach(AUT)       SL/26 GSL/41 SG/35 全日本スキー選手権大会タイトル  1987年 大回転  1990年 回転・大回転  1992年 回転

  • Facebook - Grey Circle

Copyright© SNOWGEEK All Rights Reserved.