• 土谷守生

5種目を制覇、完全なるオールラウンダーP・ツルブリッゲン

最終更新: 2018年12月15日

 

1983年にスーパーGが新種目としてワールドカップに採用されてから滑降、回転、大回転、スーパーG、そして複合の5種目をはじめて制覇したスイスのオールラウンダー、ピルミン・ツルブリッゲン。本来、大回転、スーパーGといった高速技術系を得意とする選手だが、最も勝つのは難しいと思われていた回転でも1984年12月10日、セストリエール(ITA)で行われたスラロームでみごと優勝を飾っている。それもこの種目のスペシャリスト、イタリアのパオロ・デ・キエサに0.83秒もの大差をつけて。  世界選手権にはじめてスーパーGが採用された1987年の地元、クランモンタナ大会ではジラルデリを抑えて金メダルを獲得、大回転でも金メダル、そして滑降、複合では銀メダルを獲得、実施された5種目中4種目で金メダル2個、銀メダル2個の大活躍。翌年開催されたカルガリーオリンピックでは滑降金メダル、大回転銅メダルを獲得してワールドカップの総合優勝など世界の3大大会を制した。  スペシャリスト全盛時代にオールラウンダーとしてワールドカップの全種目に出場するというのは、スケジュールが超ハードになり、体を休める時間もトレーニングする時間もほとんどなく、移動の連続。とても生半可なスタミナではワンシーズン持たない。それを何年も重ねての全種目制覇だからこれは歴史的にも価値がある。  人柄は、温厚な紳士でスイスチームの若い選手からも慕われていた。試合前の彼は物静かでどこに闘志があるのかと思えるほど“全面”に出るものが見えない。しかしひとたびスタート台に立つとみごとな集中力を発揮して結果を残す。めずらしいタイプの選手なのかも知れない。




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